斉明天皇重祚

日本書紀 巻第二十六

  斉明天皇 天豊財重日足姫天皇

 夏五月一日、大空に竜に乗った者が現われ、顔かたちは唐の人に似ていた。油を塗った青い絹で作られた笠をつけ、葛城山の方から、生駒山の方角に空を馳せて隠れた。正午頃に住吉の松嶺(地名か)の上から、西に向って馳せ去った。