第一代 始祖温乍王(在位前一八―後二八)

三国史記 巻第二十三 百済本紀第一 始祖温乍王

第一代 始祖温乍王(在位前一八―後二八)

 二十四年(六)秋七月、王が熊川柵を作ると、馬韓王は使者を派遣して、

  王がむかし河(漢江か)を渡ってきたときは、足を踏みいれる場所もなかった。〔そこで、〕私が〔自分の領土の〕東北部一百里の地をさいて、安住させた。〔私の〕王にたいする待遇は、厚かったといえましょう。当然これに報いる思いがあってよいのではなかろうか。いま国が完成し、国民が集まっていて、自分に匹敵するものがないといって、さかんに城郭を造り、わが領土を侵犯しているのは、どういうつもりなのか。

といって譲り責めた。王は慙じて、その柵を壊した。