第61代 朱雀天皇 930年9月22日〜946年4月20日

大鏡 第一巻 帝紀 一 六十一代 朱雀院

 つぎの天皇は、朱雀院天皇と申しました。〔御緯は寛明です。〕この方は醍醐天皇の第十一皇子でいらっしゃいます。御母は皇太后宮穏子と申しました。太政大臣藤原基経公の第四皇女です。この天皇は延長元年七月二十四日にお生まれになりました。同じ三年十月二十一日に皇太子にお立ちになりました。そのとき、お年は三歳でした。同じ八年九月二十二日に、お位におつきになりました。そのとき、お年は八歳でした。承平七年正月四日にご元服、ときにお年は十五歳でした。ご治世は十六年間でした。〔天慶九年四月十三日にご退位になりました。そのとき、お年は二十四歳でした。天暦六年三月十四日、ご病気でご出家なされ、同じ年の八月十五日におかくれになりました。ときに、お年は三十歳でした。御陵は鳥辺野にあります。〕