第三〇代 文武王(在位六六一―六八一)

三国史記 巻第六

新羅本紀第六 文武王 上

第三〇代 文武王(在位六六一―六八一)

 十二月、土星が月とかさなった。王都に地震があった。中侍の智鏡が辞職した。
 *倭国は国号を日本と改めた。〔彼らは〕自ら日の出る所に近いといって、〔それを国〕名とした。(八〇)
 漢城州の聰管の藪世は、百済□□□□□□、たまたまそのことが発覚したので、大阿食の真珠を派遣して、彼を誅殺させた(分注。<欠字多く文意未詳>)。

八〇 この日本呼称の年次は新旧『唐書』の東夷日本伝を誤り伝えた記事である。この記事は咸亭元年(六七〇)の倭国使節来朝記事と長安三年(七〇三)の記事とを混同してこの年のこととしたのである。