大草香皇子の災厄

日本書紀 巻第十三 安康天皇

 元年春二月一日、天皇は大泊瀬皇子のために、大草香皇子の妹幡俊皇女を娶とりたいと思われた。そして坂本臣の先祖の根使主を遣わして、大草香皇子にお頼みされて、「どうか幡俊皇女を頂いて、大泊瀬皇子と一緒にさせてくれないか」といわれた。

 さて根使主は押木珠曼を見て、その見事なのに心動かされ、嘘を言って自分の宝にしてしまいたいと考えた。