木梨軽皇子と妹

日本書紀 巻第十三 允恭天皇

 四十二年春一月十四日、天皇が亡くなられた。年は若干であった。――七十八歳という――
 新羅の王は天皇が亡くなられたと聞いて、驚き悲しんで沢山の調の船に、多数の楽人をのせてたてまつった。この船が対馬に泊って、大いに悲しみ泣いた。筑紫についてまた大いに泣いた。難波津に泊ってみな麻の白服を着た。いろいろな楽器を備え、沢山の調を捧げ難波から京に至るまで、泣いたり舞ったりした。そして賓宮に参会した。