第一代 始祖温乍王(在位前一八―後二八)

三国史記 巻第二十三 百済本紀第一 始祖温乍王

第一代 始祖温乍王(在位前一八―後二八)

 二十五年(七)春二月、王宮の井戸の水がにわかに溢れた。漢城の人の家で、馬が牛を生んだ。その首は一つで、身体は二つであった。占師がいうには、

  井戸の水が突然溢れだしたのは、大王が勃興する兆です。牛の首が一つで、身体が二つなのは、大王が隣国を併合する応です。

と。王はこのことを聞いて喜び、辰韓馬韓を併呑する気になった。